魔界姫志ーまかいきしー
「 …ここだ、着いたぞ。」
あの後シキを納得させてから皆で暗い道や森を抜けてようやくたどり着いたのは大きな屋敷にも見える建物の前。
シキの声で高くそびえるソレを見あげれば自然と私の口からは「 大きい… 」とポツリ声が出た。
暗いせいでちゃんとした構造は見えないけど高さから見て三階…ほどありそう。
不気味な赤黒いオーラを放ちつつコウモリみたいな鳥まで飛んでる始末。
リアルすぎるお化け屋敷そのもの…お化けが出ないとわかってるから怖くないけど、お化け以上に強くて恐ろしい奴らが待ってる。
————ギギギギッ
程なくして重い鉄扉が音を立てながら開く。
「 どうやら歓迎されてるみたいですよ 」
ルイの言葉を合図に私達は頷いて一歩、また一歩と屋敷内へと歩んで行った。
全員が入り終わってからその扉は静かに閉まりガチャリと無機質な音と共に施錠された。