魔界姫志ーまかいきしー
「 皆まで言うな!!
甘いぞ神の子。
私とお前は敵であり相容れぬ存在。
情けも何もかけるな。
それは時に身を滅ぼし仲間をも滅ぼす。
さあ、ユイ。
私とお前の力を合わせてこの世を終焉させよう。
光なぞ取り戻す前にこの世界ごと破壊してしまおう。
さすれば悪魔の子も神の子も現れぬだろう?
皆には悪いがここで、死んでもらう。な? 」
いつもいつも勝手に攻撃を仕掛けてきておいて
自分のことを話してくれたと思ったらこれだ。
やっぱり私は彼女を許せないし彼女の思い通りにはさせない。
コトン、とカップを置いて私は困ったような笑みを向けて「 … それは、できない 」と。
私の返事が分かっているかのようにカナさんはため息を吐いて私が知る“ カナちゃん ”の笑顔で
「 答えなど、当にわかっておったわ 」
と呟いた。
それを合図に私達も席を立って互いに互いを睨み合った。
席を立った瞬間にテーブルと椅子も消え去り、私達を隔てていたバリアも消えた。
大きな部屋の真ん中には私とカナさんが。
距離をあけたその左側には剣を交えるシキとベルガの姿が。
また、私達の右側には銃を乱射するミル、双剣を振りかざすヘヴン。
それを交わしながらも攻撃をするユエとルイの姿があった。
この話はきっと彼らに聞こえてないし、私とカナさんだけが知ることだ。
「 始めよう。
その力を私が奪いこの世に終焉をもたらすのだ! 」
「 … そんなこと、絶対にさせない! 」
意を決した私たちがぶつかり合うのはもう、目前まで来ている。