魔界姫志ーまかいきしー
シキの声が近くで聞こえたと思ったらベルガと戦っているにも関わらず、私の方へ走ってカナさんの腕を掴み捻っては私から離させた。
そのまま女の子相手に蹴りを喰らわせるもカナさんはそれを予知していたかのように身を翻して綺麗に交わした。
腹部を押さえ込みながらその場へ座りこんだ私の隣にシキは立って私を見下ろしている。
「 騎士よ、他者の心配をするより前に己の心配をした方がいいぞッ! 」
その隙を見逃さいというようにベルガは剣を振りかざしながら突進してくる。
「 ッチ…。
俺はお前を信じてる 」
その言葉を最後にシキは剣を己の剣で受け止めるも力の差か後ろへ後ろへと押されて壁へと大きな音を立てて振り払われた。
「 あ——っ、シキ!!!! 」
私を信じている。
その言葉だけで私はもう、両の足を奮い立たせている。
慌てて振り向けばニヤリと笑っているシキがそこに居た。
よかった…まだ無事だ…。
「 ねーえ!こっち退屈なんだけど! 」
「 うん、まあ……治癒と防御に長けてるにしては上出来だが…所詮はこの程度だね。」
ハッとして右を向けばそこには
銃をクルクル回しながら唇を尖らせるミルの姿と双剣を地に突き刺しもたれかかるヘヴンの姿。
「 そ、んな…っ、! 」
その後ろにはボロボロに傷ついたユエとルイ…二人の姿があった。