魔界姫志ーまかいきしー
「 …あいつらにしてはもった方だが、やはりキツイか… 」
まるで分かっていたようにシキは悔しげに唇を噛み締めた。
痛む腹部なんて後回しだと私は二人に向かって走り出した。
それを見たミルとヘヴンはおもちゃを見つけたように瞳を輝かせて私の横をすり抜け、シキと交戦を始める。
「 俺の事はいい!二人を頼む。」
シキを取り囲む三人の目付きは変わらず、息さえも乱れていない。
に、対してシキは少し息が上がってきている。
三対一なんて…そんな…。
でも、私は二人を助けなきゃ行けない。
私もあなたを信じています。
「 … うん! 」
シキの顔を見て深く頷いて二人の元へ駆け寄って最低限の治癒を施す。
「 大丈夫よ…今すぐ助けるから、… 」
ふわりと二人の頭を一撫でして意識を集中させて浅い傷を治していく。
—— しかし、私の予想を裏切る形で、
最悪の形で…幕を開けることになる。