魔界姫志ーまかいきしー
旅の始まり
「…きて、ユイさん」
う、ん…誰だろう…?
「起きて下さいユイさん」
もうちょっと…
「ユイさん」
「…ん、ぅ…?」
重い瞼を上げると目の前には整った顔立ちの少年がいた。
「る、るる…ルイさん!?」
その見知った少年の顔が間近に迫って来ているのを確認して私は思わず飛び起きる。
心臓が…朝からうるさい…。
「おはよう御座いますユイさん」
そう言って笑うルイさんはやっぱり綺麗で。
いや、男の人に綺麗って言葉を使うのはどうかと思うけど、でも…綺麗なんだもん…。
「お、おはよう御座います…」
…あれ?
私いつから寝てたの?
えっと確か昨日は…
覚えてない!?
嘘、知らない間に寝ちゃってたんだ…。