魔界姫志ーまかいきしー
「ムリしなくていいのに…」
「いいのいいの!!大切な日なんだから、これぐらいは私にもさせてよ、ね?」
ああ…なんてイイ子なんだろう…本当に、涙が出るよ私。
カナちゃんと友達でよかった。
それだけは心から言える。
でも…
「帰りは私一人で帰るね?
カナちゃんはシンくんと帰りな?」
シンくん。
それはカナちゃんの彼氏さん。
確か中学3年から付き合ってるとか。
そりゃあ初めて聞いたときは驚いたけど仕方のないこと。
女の子だもん。
恋の一つや二つするよね…私は全く興味無いけど。
「えっ…いいの?」
そう言うカナちゃんは凄く女の子らしい表情をしていた。
頬を紅く染めて少し俯いて、同じ女の私でもドキッとしてしまうほど。