魔界姫志ーまかいきしー
「いいよ。私は大丈夫だから、ね!!」
「ありがとユイ…」
今にも泣き出しそうなカナちゃんを宥めながら私達はいつもの様に学校へ行く。
そう、あくまで いつも通り。
何も変わらない、いつもと同じ。
私が学校へ行くとみんな「おめでとう!!」と言ってくれた。
それがまた嬉しくて、私もつい笑顔を浮かべた。
色んな子から色んなプレゼントを貰って憂鬱な授業も頑張って、放課後になる。
朝約束した通りカナちゃんはシンくんと帰宅していた。
なんだか、ホッとした気分になったんだ。
もし、帰ってなかったらどうしようとか考えてた自分が馬鹿みたい。
「さて、私も帰るか…」
赤焼け色に染まる空を見つめてポツリと小さく呟いた私の声は儚く消えた。