魔界姫志ーまかいきしー
暗黒の森
「ユイ姉様、起きて」
ん、ん…もうちょっと…。
「ユイ姉様!!」
「ん…」
ゆらゆらと身体を揺らされて私は重い瞼を持ち上げる。
寝起きで覚醒しない焦点。
ぼんやりと見ていると、ミルちゃんが私の顔を覗き込むようにして微笑んだ。
「おはよう御座いますユイ姉様!!」
朝からものすごく元気だ…。
私は朝に弱いし低血圧だから不機嫌な事が多い。
それはここに来てから何となく感じたこと。
…少しは思い出せてるのかも。
「おはよう、ミルちゃん」
…って言っても外はやっぱり薄暗くて。
「起きたか。行くぞ」
私より遥かに早く起きていたであろうシキくんが告げる。
皆はもう着替えて用意も出来てるみたいだ。