魔界姫志ーまかいきしー
色んな人から見送られながらも私達はユルシア村を後にする。
そこからほとんど一直線へ進むだけの旅が始まった。
どれだけ歩いただろうかーー
「疲れたー…まだなんですか!?」
ミルちゃんが怠そうに手でパタパタと仰ぎながらもルイさんに尋ねた。
「君の目は節穴ですか?目の前に見えてますよ」
少し冷たく返すルイさんだったけどミルちゃんは気にする様子も無く、足早に元気いっぱい歩き出した。
「ここが暗黒の森の入口!!やっと着きましたねユイ姉様!!」
「う、うん…」
相変わらず私は苦笑いを浮かべて返すも、目の前に広がる不気味な森を見る。
…暗い。
とにかく暗い。
辺りをぐるっと見回しても私達が歩いてきた道、つまり後ろ以外は辺り一面森で埋め尽くされていた。