魔界姫志ーまかいきしー


時折バサバサとカラスのような黒い物体が飛び交い、まるで私達を狙っているかのような

赤く鋭い瞳で睨み付ける。

こいつらにとっては、私なんてタダの獲物にしか過ぎない…。

いつ喰おうか、それを考えているんだろうな。

「良いですか?
これから暗黒の森を通りますが皆さん絶対に誰一人として離れないように。
団体行動、ですよ。

もし離れてしまっても無闇に動かないで大人しく待ってて下さい。」

そこまで言うとルイさんは私に小さな枝のようなモノを手渡した。

「枝…?」

「アホか。杖だ」

横からシキくんが教えてくれる。
杖って…私は別に魔法使いじゃないんだから。

「もし何かあったとき、その杖に向かって唱えて下さい。
何でも構いません、貴女の思うままに」

…何か適当じゃない!?



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