志麻くんのせい。
沈黙が続く。
って
「あ!帰んなきゃ!」
「んあ?あ、ちょっと待て。お前の名前知らない」
え、知らないで今まで…。
ま、いいや。
実際名乗ってないし。
「…白川苺紅」
「え、お前が噂の苺紅なのかよ…」
え。
噂の?
こんな私の噂って流しても意味ないですよー。
「…どーりでかわいいわけだ。ちょっとちゃんと見せろよ」
え、かわ、かわいい…?
っていうか顔近いよ??
顔真っ赤になってんの自分でも分かる。
「…あーかわいい。顔真っ赤」
わかってるよ。
でも、それ志麻くんのせい。
ーチュッ
へ。
な、な、な
「何してんのよ、バカ」
頬を叩いてやった。
「…帰るから」
私は逃げた。