志麻くんのせい。
好きなんていわないで







次の日。


ふぅー。
今日も送り迎えか。


嫌じゃないんだけど申し訳ない。
仕事だってあるのに。

それを言っても毎回
「あなたがちゃんとしてないからよ。心配かけさせないで」
ってお母さんに言われる。

そして、今日はお母さんが送り迎えの日。


「…あ、お母さん。今日遅くなるから歩いて帰る」


沈黙になる。


「…そう。何かあるの?」

「委員会だって。楓と帰るから」

「わかったわ。楓ちゃんにはいつも悪いわね」


お母さんは楓のことを気に入ってるみたい。



って…
志麻くんのこと忘れてた。
どうしよどうしよ、顔合わせられないし、まず隣だし。

うあー。



「着いたけど…苺紅?」

「あ、あ、うん。なんでもない、じゃーね」


そして、追及されないように逃げた。
最近逃げること多いかも。


全て志麻くんのせいだし!

志麻くん…。
ダメダメ。昨日の思い出しちゃう。



「男でもできたのかしら」

私は、お母さんが怪訝そうに見えているのに気がつかなかった。



< 12 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop