志麻くんのせい。
好きなんていわないで
…
次の日。
ふぅー。
今日も送り迎えか。
嫌じゃないんだけど申し訳ない。
仕事だってあるのに。
それを言っても毎回
「あなたがちゃんとしてないからよ。心配かけさせないで」
ってお母さんに言われる。
そして、今日はお母さんが送り迎えの日。
「…あ、お母さん。今日遅くなるから歩いて帰る」
沈黙になる。
「…そう。何かあるの?」
「委員会だって。楓と帰るから」
「わかったわ。楓ちゃんにはいつも悪いわね」
お母さんは楓のことを気に入ってるみたい。
って…
志麻くんのこと忘れてた。
どうしよどうしよ、顔合わせられないし、まず隣だし。
うあー。
「着いたけど…苺紅?」
「あ、あ、うん。なんでもない、じゃーね」
そして、追及されないように逃げた。
最近逃げること多いかも。
全て志麻くんのせいだし!
志麻くん…。
ダメダメ。昨日の思い出しちゃう。
「男でもできたのかしら」
私は、お母さんが怪訝そうに見えているのに気がつかなかった。