志麻くんのせい。
「ほんといいなー、苺紅」


「…何が?」


今はお昼休み。
食堂に行く人達と違って私達はお弁当。


「志麻くんと日直やること!」


え。


「楓、日直やりたいの?
…やりたい人っているんだ。あ、楓代わりにやってよ」


今日は学校まで迎えに来る日だし。

「違う!」


え、なにが。


「そっちじゃなくて、志麻くんとなのがいいなーってこと!」



え、ちょっと待って。



「楓、あんなのがタイプなの?」

「タイプっていうか目の保養だよ」


へー、よくわかんないや。


「苺紅はかっこいいとか思わなかった?」


え、
あんなのを私が?
絶対ない!


それを伝えると、
「志麻くん若干あいつに似てるよね」



あいつ…
私が男子を苦手になったきっかけの人。



「そうだ!志麻くんに苦手克服するの手伝ってもらいなよー。好かれてんじゃん」


「好かれたくないし、あんなやつ!」


あ、まただ。大声出しちゃった。

< 6 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop