太陽の家
キャバはコップに入ったウーロン茶を飲み干すと、席を立った。


「行ってくる」

「どこに?」

思わず疑問を投げかけたイモ子を軽く睨んで、キャバは答えた。

「……仕事」

そのままリビングを後にしたキャバの玄関を閉める音が聞こえた。

「気にしないで、あいつ、いつもこうだから。イモ子が悪いわけじゃないから」

タイヨウはイモ子の不安げな様子を察して、イモ子の肩に手を置いた。

「…………うん」

「あ、私、ニートの分ももらうわ」

ガムも気を使って、自分からちょうだいと言ってきた。

「はい」

イモ子は二人分の包みをガムに渡した。

「ぴよこなんて久しぶり。ね、タイヨウ」

「うん。俺、5個ちょうだい(笑)」

タイヨウとガムの笑顔に、イモ子は少し癒された。

(他の4人はまだよくわからいけど、この二人は優しそう……)




こうして、イモ子のタイヨウの家での初めての夜は更けていった……。


夜。

今晩の晩御飯のメニューをお盆に載せ、階段を上がっていくガムの姿があった。
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