太陽の家
『あんたがいなければ……お父さんは死なずにすんだのに………』


そんなこと言われても、私は、殺したくて死なせたんじゃ……。


『出て行け』


ちょっと、待って……!


『人殺しの娘なんか、家族じゃない』


そんな…………!!


『きれいな肌してるね』


触らないでよ……。


『気持ちイイ?』


気持ち悪いよ……。

『なんでそんな仕事?』


違う。

したくていてるわけじゃないの、お願い、わかって…。

わかってよ……!


あれ?

名前が、でてこない。

すごく大事な人だったのに……なんで?


誰だっけ?


ひろ………?


「ひ、ひろ………?」

キャバが目を開けると、そこは自分のベッドの上だった。

「ん……?」

(今、なんか、名前言おうとした気が………)

ふと、自分の手が誰かに握られているのを感じ、横を見た。

そこにはニートがキャバの手を握ったままベッドにもたれて寝ていた。

「わっ」

「ん……?」

思わず出てしまったキャバの悲鳴に、ニートは目を覚ました。

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