太陽の家
「あ、ごめん!イモ子、学校いくって言ってて…代わりについててあげてって頼まれて……」

慌てるニートに、キャバは黙って背を向けて布団の中にもぐりこんだ。

(イモ子……余計な事を)

「………………」

(でも、心配してくれたんだな……昨日も、何も言わずに側にいてくれて………)

「キャバ………少し、俺の話、していい?」

「……どーぞ」

面倒で、振り返らずに答えた。

「今まで怒らせたりして……ごめんなさい」

「……別に」

ニートは鼻の下をかいた。

「…こんな事言ったら、またキャバは混乱するかもしんないけど」

「?」

「俺キャバのこと、大好きなんだ……」

「は…?」

キャバは思わず振り返った。

「うん………好きで、好きで………好きなんだ」

「…………………」

「キャバがいなかったら、俺、こんな風に自分を変えようとか、思わなかったと思うんだ。だから………キャバに出会って……すごくよかったと思ってる」

「そ、そんな……」

自分は、特にニートに何かした覚えはないのに、感謝されてるのがおかしく感じた。

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