太陽の家
「まー落ち着いて」

そう言ってタイヨウはキャバの体を布団の上からぽんぽん優しく叩いた。

「まーつきあうつきあわないにしても、よかったじゃん。」

「…………………」

「自分を理解してくれる人が見つかってさ」

「……誰だって、人に自分のことわかってもらいたいでしょ?」

タイヨウは優しく笑いかけた。

「………タイヨウも、そうなの?」

「俺は例外♪」

「はあ?」

言ってることが矛盾しているタイヨウに、キャバは不満の声を上げた。

「俺の気持ちには、俺にしかわかんないし」

「キャバもニートもこれから人生が長いんだから、気長に生きなよ」

「……………?」



そして、1ヶ月が経ち、状況は変わっていった。

ガムはタイヨウの家を去り、彼氏とも別れ、定期的に心理カウンセラーの元へ通っている。

キャバは深夜のコンビ二のバイトを始めた。

ニートは……

「じゃあ、行ってきます」

ガムともめてできた怪我もなんとか完治し、仕事へ出かけていった。

「行ってらー」

タイヨウも笑顔でニートを見送った。

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