太陽の家
「あ、やば」

イモ子のケータイから、メール受信音が鳴り、あわててケータイを取り出した。

「ん…」

「ごめん、起こした?」

振り返ると、眠そうに目を開けたタイヨウがこっちを見ている。

「んー………夢、見た」

タイヨウは目をつむってへへっと笑った。

「…どんな夢?」

「好きな子の夢―」

しゃべってはいるけど、少し寝ぼけているのか、ろれつがまわっていない気がした。

そんなタイヨウが少しかわいくて、イモ子は話し続けた。

「タイヨウの好きな子ってどんなこ?」

「んー……もう、いなくなっちゃった」

「え………」

「俺は、今でも好きなんだけど」

タイヨウはそのまま寝返りを打って、また眠りについてしまった。


イモ子は、その場で固まった。

(なんか、どさくさに……とんでもない事聞いた様な…………)


何となく、その場にいずらくなったイモ子は、コンビ二へ行くことにした。

「あ、イモ子や」

「ユキ」

丁度玄関から出た時、帰ってきたユキと鉢合わせした。

< 115 / 176 >

この作品をシェア

pagetop