太陽の家
「どこいくの?」

「ちょっと…コンビ二」

「そっか。俺もさっき行ってきた!見てみて!このアイス、期間限定なんだ」

ユキはご機嫌でビニールからアイスを出して見せた。

「へーおいしそう」

「冷凍庫にいれておくから、勝手に食べたらだめだよ」

「はは……わかった」

「じゃ、気をつけてな」

一旦、背を向けたが、あることを思い出した。

「あ、そだ。冷凍庫見るなら、リビングでタイヨウが寝てるから……」

「タイヨウが?」

「うん。起こさないように…きゃ?」

足元に何かがつっかかり、目の前の景色が反転した。

「イモ子!」

ドサッ……

「………た……?」

イモ子がおそるおそる瞳を開けると、目の前にはユキの顔面があった。

「………………」

ユキは何も言わずに真顔でイモ子を見つめている。

(……ユキ……?)

胸がドキドキする。

ユキといるときは、いつもそうなのに。

今のユキは……いつもより……。

不意に、ユキの顔が近づいてきた。

(……私……)

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