太陽の家
「うらやましい?キャバ」
「…………なにが?」
「別に♪」
タイヨウに意地悪な微笑みを見せられたキャバは勢いよく席を立った。
「あれ?まだ残ってるよ?」
とぼけた様に聞いてくるタイヨウを、キャバは軽く睨みつけた。
「いらない」
そう言ってキャバは勢いよく階段を駆け上がっていってしまった。
「怒ったかな?」
「怒るよ、そりゃ」
キャバの怒る理由なんてわかってるくせに、とぼけるタイヨウにガムはため息をついた。
「へへ……」
「ただいまー……」
「あ、クモとユキ、おかえり。コーヒー飲む?」
「うん」
二人とも朝帰りのせいか、顔が疲れている。
「はい、おまちどー♪」
タイヨウはご機嫌で二人に熱いコーヒーをさしだした。
「ありがとな、タイヨウ」
「………………」
クモは疲れてお礼を言う気力もないらしい。
「さっき、イモ子とすれ違った。何か、急いでるっぽかった」
「寝坊したんだってさ」
ガムが答えた。