太陽の家
「怒ってるか?」

「………………」

ユキは黙っていた。

「俺を責めていいんだぞ、祐一」

「別に……お前のこと、怒ってないんじゃない。玲司にも自分にも腹が立って、気持ちの整理がつかないだけ」

二人の間を、気まずい沈黙が流れた。

少ししてから、キャバが戻ってきた。

「ニートなんだって?」

「仕事中だったみたいで、ケータイは出なかったけど、留守電残しておいた」

「そっか。タイヨウの家族とか、連絡しないと……やばいかな?」

ユキはクモを見た。

「でも、連絡先知らないし、あいつ家族なんかいるのか?」

クモは、質問に答えながら、ユキに話しかけてもらえた事に少し安心した。

「タイヨウ、ケータイ持ってないしね」

「まぁ…救急隊員みたいなやつも、命に別状はないと言ってたしな。そこまでしなくていいかな」

「そうだね」

身内に勝手に連絡するのもタイヨウは嫌がりそうな気もした。

「…キャバ」

「ん?」

「イモ子のさ、その……好きな奴って」

「あんたでしょ」

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