太陽の家
首に手をやると、包帯が巻いてあった。

…胸が、痛む。

あの、タイヨウの顔を思い出すと。


……………。


(やっぱ…夢じゃ、なかったんだ……)

「一日中寝てたんだ、私」

「うん。疲れてたんじゃない?あんま寝てなかったでしょ」

窓から指している光は、夕日ではなく朝日だった。

確かに、学祭の準備で部屋でも遅くまで内職してたから、過労ぎみだったのかもしれない。

「あの……タイヨウは?ユキも……みんな」

「………………」

キャバは少しうつむいて、いいにくそうに口を開いた。

「驚かないでっ…言っても、無理か。タイヨウ、あの後、血を吐いて倒れたらしいんだ」

「え?」

「そのまま、ここの病院に運ばれて、いま、入院してる………」

「タイヨウ、病気なの?」

一晩で、事態がいろいろ変わりすぎて頭がついていかない。

「…うん。昨日、意識が戻ったタイヨウから直接聞いた。なんて名前だったか…忘れたけど……今の医学では治せない病気で。今のところは問題ないんだけど、そのうち、目が見えなくなって……体の自由もきかなくなってくるって……」

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