太陽の家
「ふーん。学生だっけ?」

「多分そうだよ」

「…大学生?」

「さあ……そこまでは。でも、専門学生じゃない?雰囲気的に」

相変わらず、クモは黙ったままだった。

「そうだな………そういえばスケッチブック抱えてた」

「じゃあ美大生じゃない?」

「そっか…………」

タイヨウは鼻歌まじりに食器洗いを始めた。

その視線の先には、複雑な表情のクモの姿があった。


夕食。

大体6時半ごろになると、みんなリビングに集まってくる。

夕食をいつも作ってるのはタイヨウ。

ガムとイモ子で皿を出したりと、準備を手伝った。

あとの3人は椅子に座って黙ってテレビを見ている。

クモとユキはたまにポツポツ世間話をしているが、キャバは全く話さない。

「今日の買い出しでさ~」

食事中も、タイヨウはテンション高くみんなに話しかけるが、まともに答えるのはガムとイモ子くらいだ。

ユキはたまにくすくす笑っていて、クモとキャバはもくもくと食事を続けている。

クモとキャバは、話どころか笑顔も全く見せない。

< 13 / 176 >

この作品をシェア

pagetop