太陽の家
「好きじゃないよ。あいつが想ってたのは、俺のダチ」

「……両親は俺らが小さい頃に事故でいなくなって……ずっと親戚のおばさんの家に居候させてもらってたんだ。でもそのおばさんは、夜は飲み屋のママで、昼はどっかの男と遊び歩いてるような人だったから…実質は、俺が妹の面倒みてきたって感じで」

タイヨウは窓の外を眺めた。


「……最初は、この世でたった一人の家族だから、周りの女より特別なんだと思ってた。でも、高校生になって…何か、妹が女ぽくなったと思った」


「その時は、気がつかなかった。でも、後になってわかったよ。妹は恋をしてた……俺のクラスの奴に」

「最初は隠してたみたいだけど、二人がデートしてるとこにバッタリして……私が勝手に好きになっただけだから、何も言わないで……なんて実の妹に土下座された(笑)」

タイヨウの話から察するに、妹は本気でタイヨウの友達が好きだったらしい。

「そんな事されたら…何も言えないじゃん。そこからかな、自分が妹を愛してるって気づいたのは」

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