太陽の家
「!!」

「未成年だったから、刑務所にはいかなかったけど……それからしばらくして、なんか体調がおかしかったから、病院行ったら、この病気にかかってるってわかった……どうしたらいいって聞いたら、安静にしてなさいって言われて……ただ家に安静にしてるだけじゃもったいないから、叔母さんからお金借りて……大家しようと思ってさ」」

確かに、タイヨウの若さで大家をしているなんて、何か訳ありとは思っていたけれど。

まさか、こんな理由だとは誰も思わなかった。

「まぁ…話は以上だけどさ。質問は?」

驚く一同を尻目に、タイヨウは話をまとめた。

「…………」

キャバが無言で手をあげた。

「なに?」

「……妹さんは、今どうしてるの?」

「……わからない。どこにいるのかも」

「ただ……俺を憎んでるだろうね」

タイヨウは悲しい笑顔を見せた。

タイヨウは、それでも妹を想っているのだ。

「……あの壊れた植木の……一応集めておいたけど」

ユキが手に持っていたビニール袋をタイヨウに差し出した。

「ありがとう」

ユキからビニールを受け取り、自分の布団の上にぶちまけた。

「タイヨウ…………」

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