太陽の家
「イモ子は、美大生?」

「え………あ、うん」

食事中、意外な人物に話しかけられて、イモ子は少し驚いた。

ユキだ。

「今日、急いでたみたいだけど、学校間に合った?」

「うん、ギリギリだったけど」

「1年生?」

「うん」

ユキはイモ子の学校に興味をもったのか、質問を続けた。

「どんな授業やってんの?」

「デッサンとか、あと美術史とかも勉強するよ」

「びじゅつし?」

ナニソレとゆう顔をしされて、イモ子は得意気に答えた。

「何世紀にはどんな絵が流行ったかーみたいな(笑)その時代背景とか」


「へー………おもしろそう」

ガタッ

「ごちそっさん」

二人の会話をさえぎるように、クモは席を立ってリビングを後にした。

「もう、後片付けくらいしてけよなー」

タイヨウは席を立ってクモの食器を流しへ運んだ。

軽くグチっているが、顔は別に怒っていなかった。

8時近くになると、みんな食事を終えて、食器を流しへ運びぞろぞろと部屋へ戻っていく。
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