太陽の家
その夜、イモ子は久しぶりに実家に電話かけた。

「もしもし、あ、お兄ちゃん?私、由希」


「うん。今、学祭の準備で忙しいけど、なんとかやってる」


「んーできてからのお楽しみ。完成したら、写真に撮っておくるから」


「あ、あと、里帰りのことなんだけど、もしかしたら帰れないかも……」


「いや、彼氏なんかいないよ……ただ、友達がいま、入院してて……できればついててあげたいなって」


「うん………上手く言えないけど、そのこ、一人なんだ。いつも明るくて、太陽みたいな人なんだけど、一人なんだ。だから……そのこが、一人じゃないって気づくまで……いたいんだ」


「……ありがとう、じゃあね」

電話を切ったイモ子は、ある決心した。

「…………よし」

次の日の朝。

コンコン

ノックの音に、タイヨウは起き上がった。

「待って!誰かあてるからっ!えーとキャバだ」

「………………」

「入って」

朝からくるのは、キャバかユキかクモだったのだが、そこに立っていたのはその3人ではなかった。

「みやちゃん……?」


山瀬宮子だった。

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