太陽の家
「どーしてここがわかったの?」

「…昨日…あんたの同居人から、電話があったのよ」

宮子はベッドの側の椅子に腰掛けた。

「だれ?」

「名乗ってなかったけど……電話での声は、女だったわ」

「イモ子かな……」

少なくとも、キャバはそんな事はしないだろう。

「イモ子?ヘンな名前」

「あだ名だよ。それで、心配してきたんだ」

「そうよ。あんた、そんな状態で大家なんて、大丈夫なの?当分、入院なんでしょ」

「…別に、みやちゃんの心配することじゃないって。金は返したんだし」

「そうだけど……」

宮子は何か言いたげな表情で髪をかきあげた。

「…住人の人とかに、迷惑かけてない?」

「大丈夫だよ。みんなそれなりに自活してるし」

「そう?」

「そうだよ。だから、もう、俺にはかかわらないで」

タイヨウは宮子に背を向けて、布団をかぶり直した。

「夏生」

「……みやちゃんの顔見てると、冬美の顔が、ちらつくんだよ」

「………………」

「よく電話かけてきた彼氏と、仲良くやりなよ」

「……別れたわよ」




ナンデコンナコトニ?

『路地裏に捨てられてたって………何で、雨がこんな目に…?』

『……知りたい?』

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