太陽の家
「私は、あなたをどうしても許せない」

「………………」

「もう二度と会うこともないと思ったから、昨日まで諦めていたけど」

「?」

イモ子は、タイヨウの前に、植木をさしだした。

「せっかく同居人の方が気をきかせてくれたので、この植木を託します」

「………………」

焦点の定まらない目で、植木を見つめた。

「これは、ある人からもらった種が植えられてます。その種を大事に育てると…大切な仲間に恵まれるんだって」

「……もう気づいてると思うけど、あの晩に私がお兄ちゃんにあげた植木鉢には、種は入ってません。堕ちてくお兄ちゃんを見ていられなくて…種を抜いて渡しました。これが本物です」

「…………………」

「お兄ちゃんの代わりになったつもりで、私が育てて芽がでて……私は二人のかけがえのない仲間ができました。今度は、お兄ちゃんに譲ります」

一同は、植木を見つめた。

「二人の、仲間…?」

タイヨウは、一考した。

「……冬美さんね、結婚して……子供もいるの」

「………………!」

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