太陽の家
「……辛いな、現実は」

聞かされた真実に、"参った"というように仰向けで倒れた。

「いや、辛いから……現実なのかな」

「……タイヨウ」

「なに?イモ子?」

「……私、タイヨウに伝えたいこと、たくさんあるんだよ」

タイヨウは優しく聞き返した。

「なに?」

「言 わ な い。」

「えー……」

きっぱり断られて、苦笑いした。

「タイヨウに伝えたいこと、たくさんあって、これからも、増えてって、少しずつ伝えるから……死なないで」

イモ子だけじゃない、他の仲間も同じ気持ちだった。

「……俺って……一人じゃないんだ」

「…タイヨウ?」

「俺……冬美も和久も家もなくなって……本気で世界に自分しかいなくなったと……思った」

「………………」

タイヨウは両手でイモ子の顔を包んだ。

「ごめんな……俺………ごめん」

「たいよう……」

イモ子はタイヨウに抱きつき、タイヨウもイモ子を優しく抱き締めた。


その夜。

タイヨウが戻った病院の外のベンチで座っているイモ子に、キャバが話しかけた。

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