太陽の家
宮子は、夏生の机の上にあるラジカセにテープをセットし、再生を押した。



『久しぶり。イモ子です。タイヨウ………元気?私は、元気だよ。学際も成功して、一度夏休みで実家に戻ったんだけど、ようやく学校の近くに新居見つけて、落ち着いたトコなんだ』

『この間ね、美紀……でなくてキャバに会ったよ。いま、ニートと暮らしてるみたいで、でもニートが仕事で帰るの遅くて、なかなか構ってもらえないってすねてました(笑)』

『あと、ユキともたまに連絡とってるけど……なんと、クモと一度別れたんだって。でも、なんとかより戻せたらしくて……嬉しそうだった』

『あと、私の話は………彼氏ができました(笑)同じ学校の人なんだけど、このあいだ、告白されて……へへっ。まあ、そんな感じです。タイヨウも、体とか、気をつけてね』

『…じゃあ、またね』



「………………」

タイヨウは、嬉しそうに微笑んだ。

「あと、お客様よ」

「?」

ドアの開く音と、懐かしい香水の匂いがした。


「…夏生」


「……………ノリ?」

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