太陽の家
「ここに一人で暮らしていいんですか?」

「?うん。あ、コンセントここね」

タイヨウは机の下に隠れてる電源を指さした。

「あ、ここ壁薄いから、気をつけてね」

タイヨウは意味ありげにニヤニヤして言ったが、イモ子にはその意味がよく理解できなかった。

「?なにが?」

「え~だってさあ、そのうち、彼氏とか連れ込むでしょ?その時に頑張りすぎないようにって」

「頑張る……?とゆうか、私、彼氏とかいないんで……」

「え?いないの?」

タイヨウはきょとんとした。

「はい。学校だって、まだ入ったばっかで、友達もあまりいないし」

「地元とかにいないの?」

「い、いませんよ」

「そっか~。やっぱりイモ子はイモ子だね(笑)」

タイヨウはイモ子の髪をくしゃっと撫でた。

「まあ、ゆっくりくつろいでて。晩御飯の時間になったら呼ぶから」

部屋を出ようとしたタイヨウを、イモ子が呼び止めた。

「あ、タイヨウさん!」

「タイヨウでいいよ。なに?」

「他の住人の人たちは?」

「ああ、夕食のときに紹介するよ」

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