太陽の家
「俺がまだガキのころ、近所にすんでたお姉ちゃんに似てる。だから、何か懐かしい気持ちになって」

車の窓から見える海は、太陽が反射してキラキラ輝いていた。

「……初めて聞いた」

「言わなかったし」

「…………………」

(…俺が、鈴帆にこだわってたから、言えなかったのか)

「イモ子のこと、好きだよ。何か面白いし、癒されるし」

「ああ……」

「でも、俺は玲司がいいから」

「………………!」


夕方。

「あ、おかえりー」

玄関を開けてリビングに入ると、イモ子とタイヨウが並んでテレビを見ていた。

「…イモ子」

ソファに腰かけるイモ子にクモは声をかけた。

イモ子が振り返ると、クモはイモ子の前で土下座をした。

「……ごめん」

「い、いいよ」

謝られることは想定していたが、まさか土下座をされるとは思ってなかったイモ子は焦った。

「タイヨウも、迷惑かけて、ごめん」

クモはタイヨウにも深く頭を下げた。

「いーよ♪」

「俺からも、ごめんな。二人とも」

次に、ユキも二人に頭を下げた。

「そんな、謝らなくていいよ」

「うん♪まーヒマ潰しになったし」

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