太陽の家
イモ子はソファの前で体操座りしながら、冷蔵庫をあさるタイヨウの背中を見つめた。

「飲み物。酎ハイでいい?」

「お酒飲んだことない」

「じゃあ、今日が初体験だ(笑)」

タイヨウはイモ子に向かってウインクをした。

楽しそうに缶酎ハイのフタを空けて、イモ子の前にさしだした。

グイッと一口飲んだが、少し苦味のあるアルコールが舌に染み込んだ。

「…………まず」

慣れない味に、イモ子は舌を出した。

「ははは」

「……くしゅ」

「あ、寒い?ちょっと待って。毛布、とってくる」

奥から毛布をとってきたタイヨウは、イモ子のとなりに腰かけ、毛布を肩からかけてくれた。

一枚の毛布を共有する二人は、自然と寄り添った。

はたからみたら、恋人同士だ。

「ありがと……あったかい」

毛布の温かさに、タイヨウの優しさも含まれている気がした。

「どうも。まあ、タクヤくんもね、先に言えってのね」

「………友達もそう言ってた」

「………………」

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