太陽の家
「どうした?」

「彼女、すごい熱なんだ。病院……連れてった方がいい」

「タイヨウ……車!!」

4人は急いでタイヨウの車に乗り込んだ。

運転はタイヨウ、助手席はイモ子が座った。

そして後ろの席には、苦しそうにしているキャバを、見知らぬ青年が膝枕をして、『頑張って』『あと少しだよ』などと、励ましていた。

(友達かな………恋人?)

気になってたが、そんなことを聞ける状況じゃなかった。

病院へ到着すると、キャバは診察室へ行き、3人は待合室で待った。

「あの、キャバの………友達?」

「いや…………」

青年は遠慮がちに首をふった。

「あ、イモ子。彼が、ニートだよ」

「…ええ?」

「紹介遅れてごめん。イモ子だよね?」

ニートは立ち上がり、イモ子に手をさしだした。

少しとまどったが、イモ子も男の手を握った。

…ニートはずっと部屋にひきこもっていて、正直、もっと小柄で貧弱な人をイメージしていた。

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