太陽の家
「あの、すいません」

一人の看護婦が、こっちに向かってきた。

「はい」

「まだ意識は戻っていませんが、風邪をひいていたようなので、一週間入院させますね」


「はい…………」

3人はほっと胸を撫で下ろした。

「すいません、彼女の関係は……?」

勘ぐるような目で問われ、少し返答に困った。

「あー……俺ら同居人で……まあ家族みたいなもんです」

「タイヨウ……」

「そう、ですか………」

看護婦に案内され、3人は診察室へ入った。

「嘔吐はストレスからきたものだと思われますが、彼女、病気を患ってますね」

「な、何のですか?」

「それは………」

イモ子の質問に、医者はバツの悪そうな咳きをした。


キャバに意識が戻り、3人は面会を許された。

「キャバ………」

安心したイモ子はキャバに駆け寄った。

「私、性病かかったんだね……」

「…………………」

「彼氏からうつされたの?」

イモ子の態度とは逆に、タイヨウは、冷静にキャバに聞いた。

「…………誰かわかんない」

「え…」

(………どういうこと?)

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