太陽の家
「デリヘルやってんだ、私。毎晩のようにセックスしてたから、誰かなんてわかんない」


「何でそんな仕事……」

今度はニートが聞いた。

「………私さ、借金あんの。1年前、大学行ってたとき、飲み会で酒飲んで、自分の車で帰ろうとしたら………」

「他の車と、衝突して」

キャバの目が潤みだした。

「私……人殺したの」

「慰謝料、払わなきゃいけないの………」


そう言ってキャバは枕に顔を伏せたが、泣いているのは、誰にでもわかった。


何も言えなくなった3人は黙ってキャバの病室を出た。

「みんながキャバって呼んでるから、キャバクラで働いてるのかと思った…」

イモ子がポツリとつぶやいた。

「いや、入居したときはキャバ嬢だったよ。だから、キャバって呼んでたんだけど、キャバクラってお酒とか出す店じゃん?酒を見ると、自分の失敗を思い出して辛いって言ってすぐ辞めた」

「そうなんだ……」

「デリヘルだったら、お酒いらないし」

「タイヨウ、キャバの過去知ってたの?」

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