太陽の家
「うん………」

「まあ辛かったんだろうな。中学では、いじめる側だったからさ。どうすればいいのか、本当にわからなかったんだと思う」

確かに、ずっと学級委員についてた様なプライドのある人にとって、訳もわからず周りから下されるのは……屈辱だろう。

「でも、それはニートだけのせいじゃないでしょ?」

「……うん……でも、ショックだったんだと思う。こんな言い方もアレだけど、あの人は誰かを見下して生きるのが生きがいみたいな人だから」

「…………………」

「ガムとは、それ以上の感情はないよ。向こう、彼氏いるしね」

それでもまだ二人の間に恋愛感情があると思っていたイモ子の考えは、ニートにあっさり否定された。

「そうなんだ!初めて聞いた……」

「最初は、同じアパートで一緒に暮らしてたんだけど、それが彼氏にバレてね。まあ、彼女が他の男と同棲してたんだしね。恋愛感情はないって言っても通じる訳もなく……破局になって、こんなんじゃ彼氏できないって言われて、タイヨウの家に来たってわけ」

< 62 / 176 >

この作品をシェア

pagetop