太陽の家
事情を知らないユキだが、さすがにガムの前でニートの話題は避けていたようだ。

でも、やはり気になってはいたらしい。

「いや、友達ってほどでは…今日、初めて顔見たし」

「夕方、何か様子おかしい思ったら、ニートと話してたんだ」

「うん……ドア越しにね」

「ふーん……今日、みんなどっかぎこちないよな。何かあった?」

ユキはガムが戻ってこないか、リビングのドアを確認していた。

「それは………」

「うーん……教えたいのはやまやまなんだけど、今はちょっと言えないかな♪」

答えにくいイモ子のかわりに、タイヨウが答えてくれた。

「何それー。俺らだって同居人だよ。家族みたいなもんじゃん」

「…誰でも言いたくないことはある。必要になったら、向こうから言ってくるだろ」

軽くスネて見せたユキを、クモがなだめた。

「家族か………」

そんな二人の様子に胸を痛めながらも、イモ子は嬉しそうに呟いた。

「どうした?イモ子」

「何か、タイヨウも、今朝同じこと言ってたから」

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