太陽の家
「もし俺らが家族だったら……キャラ的に見て、ガムはしっかりしてるからお母さんで、クモは頑固で無口な親父って感じだな」

「…そんなに年とってねーよ」

「例え話だって」

思わずムキになるクモを、今度はユキがなだめた。

「んで、タイヨウが明るい長男で、俺はちゃっかりしてるから次男(笑)。ニートは今日初めてみたけど、なんか末っ子ぽかったな。あと、キャバが無愛想な長女で、イモ子はペット!」

「えーペット?次女でいいじゃん」

人間扱いをされず、イモ子は反論した。

「いいじゃん、イモ子、犬っぽ……」

ガシャーーーーン


「えっ、なに?!」

二階から、何かの割れる音がした。

嫌な予感は、少ししていた。

…ガムが、トイレに行ったきり、帰って来てなかった。

4人は顔を見合わせ、階段をかけて昇った。


「ガム………」

4人が見た光景は、ニートの部屋でニートに物を投げつけるガムと、部屋の隅で丸くなっているニートだった。

床には、ガラスの破片が散らばっていた。

たぶん、花瓶か何かをぶつけられたのだろう。

ニートも丸くなって顔を伏せているので様子がよくわからないが、腕や足には切り傷がいくつもついていた。

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