太陽の家
最近はキャバの事ばかりで、ガムの事は忘れていた。

…そうじゃない。

考えないようにしてただけだ。

「このままじゃ、ダメなことわかってんだろ?ガムどっか行っちゃったけど…このまま、ニートを手放すと思えないし」

「それは………」

「ニートが動かなきゃ。じゃないと、ずっとこのままだ」

「………………」

タイヨウにきつく言い放たれてしまったニートは、丸くなった。

「キャバと結婚なんかできないよ」

コンコン……

「誰?」

『イモ子です』

イモ子がキャバの病室に入ると、キャバはベッドで仰向けになっていた。

「…何か用?」

「差し入れ買ってきたんだけど……」

「どーも」

キャバの冷めた返事にもめげず、イモ子はキャバの隣にちょこんと座った。

「…体、調子どう?」

「……いいわけないでしょ。病気してんだから」

キャバはイモ子を全然見ずに、週刊誌を読み出した。

「ごめん」

「そんな事聞きにきたの?」

「いや………この仕事、続けるの?」

「続けなきゃ、お金にならないでしょ」

そう吐き捨て、週刊誌をバサッと置いた。

「……後悔しない?将来、好きな人ができた時とか……」

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