太陽の家
「あたし、あんたみたいなのが一番嫌い。遠くで正論言ってさ。いいよね、あんたは病気もってないんだから」

「……ごめん」

「それに、私は、もう人を好きになんかならない」

キャバはイモ子を睨んだ。

「どうして?」

「借金抱えて、こんな商売やって、誰もこんな女抱きたくないでしょ」

「そんなのわからないじゃない……」

(ニートは好きって言ってたし)

「だから、キレイごと言わないでって。私、あんた嫌いなの」

「…………………」

そう言って、布団にくるまり、背中を向けられてしまった。

「私も、キャバが良い人だと思わないよ」

「…………………」

(ついに、本性でたか…)

キャバは、イモ子の事を信用していなかった。

「……でも、嫌いじゃないよ、私は」

「……何言ってんの?」

「え?」

「私は、あんたが嫌いなの」

キャバは起き上がり、訴えた。

「うん?」

「うんって……普通、自分が嫌われてるってわかったら、嫌いになるでしょ?」

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