私が愛したのは最低な人間でした
第1章
転校生
うららかな春の日差し。
高二になって早一ヶ月が過ぎた。
クラスメート達の顔も大体把握できてきて。
フルネームとまではいかないけど、名前も少しずつ覚えてきた。
クラスが多いから、最初は知らない人ばかりで不安だったけど、今ではそれなりに溶け込めていると思う。
「凛、おはよぉー!」
『あっ、仁香!おはよーっ!』
学校に登校して窓側の席から外を眺めていたら、去年知り合って、今では親友の斉藤仁香(サイトウ ニカ)に肩を叩かれた。
キリッとした大人っぽい顔立ち。
仁香には、“可愛い”よりも、“美人”っていう言葉がピッタリだ。