私が愛したのは最低な人間でした
「てかさ!凜、あの噂聞いた!?」
『ん、噂?』
何のことだかわからない私は
首を傾げて仁香を見る。
仁香は凄く興奮してるみたいだった。
「転校生が来るって噂!しかもA組!
うちらのクラスっ!!」
『えっ、ほんと!?』
転校生が来るの?
そんなの聞いてないよ。
初めて聞いたそれに、私は唖然とする。
「まっ、噂なんだけどね…」
『あっ、そっか…』
苦笑する仁香に、私も苦笑いを浮かべる。
「ほんとだったらいいんだけどねぇ。イケメンくんに期待してんのにー」
『イケメンって…。仁香、彼氏いるでしょ?月島がさ』
「大雅は別。イケメンはイケメンで目の保養になるしー」
『あー…』
仁香の言ってることはわからなくないけど、イケメンとかそんな都合よく来るわけがない。