私が愛したのは最低な人間でした

「てかさ!凜、あの噂聞いた!?」



『ん、噂?』





何のことだかわからない私は
首を傾げて仁香を見る。



仁香は凄く興奮してるみたいだった。





「転校生が来るって噂!しかもA組!
うちらのクラスっ!!」



『えっ、ほんと!?』





転校生が来るの?


そんなの聞いてないよ。





初めて聞いたそれに、私は唖然とする。





「まっ、噂なんだけどね…」



『あっ、そっか…』





苦笑する仁香に、私も苦笑いを浮かべる。





「ほんとだったらいいんだけどねぇ。イケメンくんに期待してんのにー」



『イケメンって…。仁香、彼氏いるでしょ?月島がさ』



「大雅は別。イケメンはイケメンで目の保養になるしー」



『あー…』





仁香の言ってることはわからなくないけど、イケメンとかそんな都合よく来るわけがない。


< 2 / 62 >

この作品をシェア

pagetop