私が愛したのは最低な人間でした

やべ、緊張する…。





高校に通うことになった初日。



担任の先生に連れられて、俺は教室前の廊下で待機していた。





教室の壁に寄りかかって呼吸を整える。





二年A組かぁ…。


すぐに友達ができればいいんだけど。





新しい学校での生活は楽しみではあるけど、正直少し不安な部分もある。





俺、田舎者だからな…。


みんな相手にしてくれるかな?





なんて思っていると、教室から凄い歓声が聞こえてきた。



ギャーギャーと騒ぎ立てる様子からして、担任が転校生が来るとでも伝えたのだろう。





「伊波ー!入って来なー」





あ…呼ばれた。





俺は担任の声を合図に、期待感を抱きながら教室に入っていった。





教室に入ったら生徒達がいきなり静まり返ってビビったけど、自己紹介は噛まずにすることができた。



席に着けば人が寄ってきて、すぐに友達ができそうでホッとした。



新しいクラスメート達が次々と俺に名前を教えてくれたけど、正直全然覚えられなくて数人の名前しか頭に入ってこなかった。


< 27 / 62 >

この作品をシェア

pagetop