私が愛したのは最低な人間でした
やべ、緊張する…。
高校に通うことになった初日。
担任の先生に連れられて、俺は教室前の廊下で待機していた。
教室の壁に寄りかかって呼吸を整える。
二年A組かぁ…。
すぐに友達ができればいいんだけど。
新しい学校での生活は楽しみではあるけど、正直少し不安な部分もある。
俺、田舎者だからな…。
みんな相手にしてくれるかな?
なんて思っていると、教室から凄い歓声が聞こえてきた。
ギャーギャーと騒ぎ立てる様子からして、担任が転校生が来るとでも伝えたのだろう。
「伊波ー!入って来なー」
あ…呼ばれた。
俺は担任の声を合図に、期待感を抱きながら教室に入っていった。
教室に入ったら生徒達がいきなり静まり返ってビビったけど、自己紹介は噛まずにすることができた。
席に着けば人が寄ってきて、すぐに友達ができそうでホッとした。
新しいクラスメート達が次々と俺に名前を教えてくれたけど、正直全然覚えられなくて数人の名前しか頭に入ってこなかった。