私が愛したのは最低な人間でした
『告白されないからって、モテてないとは限んないんだって』
呆れた口調で仁香が言う。
呆れてるのはこっちの方なんですけど…。
「告りたくても告れないんだよ。あんたレベル高いから」
『れ、レベル……?』
な、なんのことですか。
「人気すぎて手が出せないの!」
『はぁ…。必死なフォローありがとうございます』
人気って、そんなわけないのにね。
至って普通の女子高生ですから。
「…やっぱ、伝わんないかぁー」
仁香は大袈裟に溜息を吐く。
『え、何が?』
「ん、何でもない。凜の鈍感さがよくわかったわ」
『鈍感って……』
そんなことないと思うんだけどなぁ。