GOING UNDER(ゴーイングアンダー)
「そうかしら? ま、わたしは部外者ですからね。いつだって部外者ほど無責任になんでも言えるものでしょう? そこの坊やが言いたい放題なのがいい例ではなくて? それはともかく琴子ちゃんも来年はもう高校生なんだから、あなたとお母さんの間に何があったのか、そろそろ具体的な話をしてあげてもいいんじゃないの」
「現時点で琴子と連絡を取り合う気はないんだ。それに、しばらく家にはかかわりは持ちたくない。だが、落ち着いたら琴子がいる学校にでも連絡をいれてみるよ」

 注文したパスタ料理がほどなく運ばれてきて、しばらくは皆、無口になる。
 知明はほうれん草のスパゲッティを10分で平らげると、8時からバイトがあるといって席を立った。

「誘ってくれたのに悪いな」

 きょうはおごるからという蓮村と真由子に対し、弟の分だとかなんだとか言い訳をして、結局知明はお金を置いて出て行った。
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