私だけのクリスマスケーキ
「あ、あの!」
……えっ!
店を出たところに
……あの彼が立っている。
どうして!?
私はなんて言ったらいいのか全くわからず、無言で一礼した。
すると、彼は手に持っていたうちのパンの袋を上げて
「これ、一緒に食べませんか?」
って言った。
寒い中待っていてくれたんだろう、真っ赤な顔でこちらを不安そうに見ている。
え?私と、一緒に!?
ちょっと、軽くパニック!
いや、あの、早く返事しなきゃ!
「は、はい!もちろんです!」
私がそう答えると、
ニコッ
彼は安心したように笑った。
「じゃあ、行きましょう!」
「はい!//////」
私たちはイルミネーション煌めく夜道を
、少し離れた微妙な距離で歩き出した。
彼の持っている袋の中には、もちろんあの生クリームとイチゴのパンが2つ。
想い描いていた甘いケーキではないけれど、私にとってはこのパンが最高のクリスマスケーキ。
そして、最高のクリスマスプレゼント。
……パンが3つになってしまったことは、
秘密にしておこう ♪
ーendー