STEP UP
― 恋のミルク  とろける贅沢な恋のミルク
― 恋のいちご  甘酸っぱい恋のいちご

包みの中は飴。
学校でクラスの女子からもらったものだ。『書いてあるフレーズがいいでしょ』なんて言いながら渡してくれた。

苺味の包みを開けて口の中に入れる。
甘い苺の味がふわりと広がった。

「結先輩。あめ食べる?」

「う、うん」

「はい、あーん」

ミルク味の封を開け、中のものを摘み上げて後ろにいる結先輩の口にそっと入れた。

「『恋のミルク味』なんだって」

「へー」

「俺のやつは『恋のいちご味』」

空っぽになった包みをテーブルの上に並べてみた。
口の中で飴を転がしながら、甘さを楽しむ。
ちょっとだけ元気が出て、最後の一問に向かう元気が出てきた。

「できた!」

両手を上に上げて、うーん と伸びをする。
口の中にはまだ少し飴が残っている。

「恋の味って苺味?」

机の上に並べてあった包みに目をやってつぶやいてみた。味は普通の苺飴。
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