普通な恋がしたいっ!
第一礼~桜は恋の色~
[みゆ!朝ですよ!起きなさい!]





お母さんの幻聴が聞こえ、はっと起きると朝だった。






7時23分。






学校が近くなった今では丁度良い時間だ。




寝惚けたまま洗面台へ行き、目を冷ますように顔を洗う。




鏡の前の私は少し成長したようだった。




花の高校生。夢の一人暮らし。




オンボロアパートでも私ー鈴木みゆは只嬉しかったのだ。




朝ごはんの代わりに3割引していたヨーグルトを食べた。
やはり、歯磨きした後のヨーグルトはヘンな味がする。



お皿を片付け、制服に着替える。




都立鬼塚高校。偏差値50。進学率70%。

噂も悪くもなく良くもない。

いわゆる"普通"の高校だ。

中学校の時の友達も少なくてもいるし、新しい友達ができないわけでもなかった。

既に、家の近くにはすみれちゃんという親友もいたし、私は緊張していなかった。




「いってきます。」





誰も居ない部屋のドアを閉めて、学校へと向かった。




学校に近づくにつれて、生徒の数も多くなっていった。





ー運命の出会いってあったらいいなぁ







ふと、そんなことを考えながら私は歩いていた。





今日も綺麗に散る桜。





私はゆっくりと見上げた。





快晴!雲なんてどこにもなかった。












「大丈夫かい?」







雲の代わりに




真っ白な王子様がいたーーーー






というか








落ちてきた。







「今日も快晴じゃのう!」







遅くでてきた親友のすみれちゃんがきたころには遅かった。




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